湧別町のM邸は、ご主人の庭づくり、奥さまの人形服制作が満喫できる環境として、快適な住環境をご用意させていただきました。高断熱高気密の省エネ住宅を前提に薪ストーブ&地中熱ヒートポンプ&太陽光発電導入による自然エネルギーの活用、そして北海道らしいレンガや木材など自然素材を活かした住まいづくりです。
お子さんが巣立つと、夫婦2人の時間がやってきます。
平均寿命が延びた日本では、子どもが巣立ってからも30年、40年と夫婦だけの生活を楽しむことが可能です。
充実したセカンドライフの決めては家だった
湧別町に住むMさんは、お子さまが成人して独立されています。ご夫婦は借家生活を卒業して、快適な我が家を建ててセカンドライフを過ごすことを決めました。 選んだのは、「家じゅうどこも寒くない」SHSの家。
少しずつ庭を造っている
作業に没頭できる快適な室内
ご主人は、庭いじりが大好き。奥さまによると「週末の休みの日は、ほとんど庭にいる」というぐらいだそうです。平成23年に家を建ててから6年になりますが、コツコツと庭造りをされてきました。
もともとはゲストルームだった
そんなご主人の様子を大きな窓ごしにやさしく見守りながら、奥さまはリビング隣の部屋で人形用の服を制作しています。アウトフィッター(人形服の作家)として有名で、全国規模のイベントで出店したり、オークションで高値取引されるほどの人気です。
小さな服が並んでいる
もともと細かな手仕事が得意だったそうですが、充実した作品ができるのは「家のおかげ」だと言います。
手のひらに乗るような小さな服を作っている
「家じゅうどこにいても寒くない、暑くないことが、こんなにすごいことだとは思いませんでした」と奥さま。「前に住んでいた借家は古いのでストーブの回りしか暖かくなく、家の中で居場所が決まっていました。今の家は、こうやって人形服づくりに没頭していても、体の芯が冷えるとか、暑くて不愉快だとか、そういったことが一切ありません。おかげで体を気づかう心配もせず作業に没頭でき、時間があっという間に経ってしまうことも多いんです。恵まれた環境で創作できて幸せです」と嬉しそうに話してくれました。
ホテルのようにくつろげるリビング
体験宿泊ですごさを体感
ご主人は、家では開放感たっぷりの吹抜けがあるリビングで本を読むことが多いそう。うづくりの無垢フローリングや、厚い木の板のドアに力強い木の梁、落ち着いた色の壁紙が、まるでリゾートホテルのようなくつろぎの空間を創っています。
Mさん宅の地中熱ヒートポンプは地下室に設置
「住宅雑誌で光栄建設さんのことを知りました。地中熱ヒートポンプなど、他にはない環境にやさしい家づくりと新しいことにチャレンジしているという姿勢に好感を持ちました。モデルハウスで体験宿泊ができるというので、妻と2人で冬に泊まりに行きました。驚いたのは、室内で不快な空気の動きがなく、暖房が入っていないんじゃないかと思うぐらいでした。少し時間が経って気づいたのは『寒くないことが快適』ということでした。ストーブの火で体を暖めるという生活だった私にはこの柔らかな空気感は衝撃的でした」とご主人。
トリプルガラス入り木製サッシで窓からのひんやり感を大幅に軽減
高断熱と高効率設備の採用で電気代を大幅に節約
この家はSHS工法で、断熱性能Q値は1.0W(現在のUA値基準では0.3Wぐらい)。国の省エネ基準を大きく上回る断熱性能です。窓もガラスが1枚多いトリプルガラス入り木製サッシを採用して、窓からのひんやり感を低減しています。
さらに、「地中熱ヒートポンプは、床暖房にして『寒くない』マイルドな室内環境を作っています。住居部分が約48坪(約158m2)もありますが、氷点下10度、20度になるような真冬でもプラス温度の地中熱を利用するため、ヒートポンプの効率が良く、たった2kWしか電気を消費しません。電気代を相当節約できますし、広い室内でどこにいても寒くない環境を作ります。その上で寒さが厳しいと感じる日には、リビングの薪ストーブを使うことで室内を簡単に20度以上に保てます」と答えてくれました。
薪は、今のところ知り合いの方から無料で入手しているそうです。
キッチンからも薪ストーブが見える
この家では、省エネと快適性を上げる工夫がもう1つあります。それは、新鮮な外の空気を一度床下空間に導いてから室内に導入することで、寒い空気が床下で暖められて入ってくることです。室内が20度ぐらいのとき、入ってくる外気の温度は12度くらい。これは高価な熱交換換気システムを使ったときとほぼ同じくらいの温度です。住宅から逃げていく熱のうち、全体の約3割は寒い空気を室内に入れるロスです。この方法で大幅にロスが減りました。
ご主人は、設備の採用についてこう考えています。「冬の停電や大地震のリスクで、生活に必要なライフラインをどう確保するか考えました。そこで停電時でも発電できる太陽光発電システムや、電源のいらない薪ストーブが必要だと考えました。調理は電気ではなくガスと、熱源の種類を増やしてリスクを回避しやすくしています」と言います。
太陽光発電システムは3.9kW搭載。当時、湧別町が太陽光発電システムの普及に積極的で、独自に大型補助金も出していることもあり自己負担を抑えて採用できたそうです。
余剰電力の売電効果もあり、松浦家の電気代の合計は年間10万円以内で済んでいます。地中熱ヒートポンプ+高断熱SHS工法の効果はかなりのものですね。
※湧別町の太陽光発電システムへの補助金は平成27年度で終了しました
北海道らしい天然の素材とシンプルなデザイン
シンプルで使いやすい造作キッチン
キッチンはカウンターや収納を造作し、ウッディな室内の雰囲気に合わせました。
建物の外壁は、レンガタイルを使っています。
「北海道らしい家をイメージしてプランを考えたとき、レンガ、木材といった素材は『北海道らしさ』として外せませんでした。そして、シンプルなデザインが好きだったというのもあります」とご主人。
テーブルの上でリラックスしているネコ
時々撮影の時に出てくるベンガルネコ。この家に引っ越してもっとも喜んでいるのかもしれません。
「前の家では、夏は暑くてベローンとのびて、冬は寒いのでストーブの前を離れずジッとしてました。それが今の家に引っ越してからは、年中リラックスして歩き回っています。窓辺も寒くないので外を見ていることが多いですよ」と奥さま。
そういえば、壁にひっかき傷もありません。ノンストレスな環境で、ネコもいつもご機嫌なんでしょうね。「こんな暮らしがうらやましい」と思う、素敵なご夫婦でした。